母と子の絆、母親、母性がテーマの小説(随時更新予定)

子供を産んで以来、「母と子の絆」「母親」「母性」などをテーマとした小説に反応しがちな私。過去に読んだものも再読しつつ、自分用の記録も兼ねて、少しずつこちらにまとめていこうと思います。

※ネタバレ満載ですので、ご注意ください。

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かあちゃん/重松 清

母の想い。母への想い。苦しかったり、切なかったり

父親が起こした交通事故の罪を背負い、懺悔しながら生きる母親の姿が、その息子はもちろん、直接関わりのない人たちの心までもを動かしていく、というお話です。

心を動かされる側のメインの登場人物は、とある中学校で起こった「イジメ」に関わった子供たち。彼らの、個々のバックグラウンド(介護、母親の蒸発、ステップファミリーなど)を明かしつつ、先の事故加害者のエピソードに触れ変わってゆく子供たちの心の様子を追っています。そのすべての描写に「母と子の関わり合い」という視点があり、まさしく母子がテーマの本。母親としては、読んでいていろいろな感情が湧きました。

なお、作品全体のテーマは「ゆるす/ゆるされる」あるいは「ゆるさない/ゆるされない」であると著者があとがきで言っているのですが、それについては、思うところがありすぎて、ここでは書ききれません。きっと正解はないんだろうと思います。

流れる星は生きている/藤原 てい

母から子に贈る、「生きる力」となるメッセージ

3人の幼子を連れた母親(著者)の、満州からの引き揚げ劇を描いたノンフィクション小説です。背景が背景なので、全編を通して「凄惨」「悲惨」「壮絶」としか言いようがなく、無事に生還した記録とはいえ、決して読んでいて楽しいものではありません。

それでも目を逸らしたいという気持ちにはならなかったのは、著者である藤原ていさんの文体が、良い意味で淡々としていて、それでいて女性らしい柔らかさがあって、とても心に届きやすかったから。

あとがきまで読了した今思えば、この引き上げの記録は、あの時代を生き抜いた母が子に贈る命のメッセージであり、母が子に向けて紡ぐ言葉で書かれていたからこそ、心に届きやすかったのだなとわかります。

おそらくこの作品は、すべての日本人が読むべきものです。命があること、生きることとは、どういうことか。戦争とは、国家とは、何か。母性とは、愛とは、何か。それらを意識してみること、そしてなにより、こういった歴史上の事実を知ることが、必要だと感じます。

特にお子さんを持つ母親の皆さんには、ぜひとも「あとがき」まで読んでみてほしいです。本編の100倍、胸に迫るものがある。本編ではまったく泣かなかったのに、「あとがき」で号泣です。私は、自分の子に、こんなふうにしてやれるかなと。母親って、すごいなと。これを書いている今でも、思い出し号泣するくらいです。

この本を読めてよかった。藤原ていさんという、「偉大な」そして「普通の一人の」母親と、出会えてよかった。いつかくる子の巣立ちの時までに、そのもっと先の、自分の旅立ちのときまでに、私も子供に「生きる力」を与えらえる母親になれるかな。

ジーン・ワルツ/海堂 尊

代理母出産がテーマの、医療エンタテインメント小説

海堂尊といえば、「チーム・バチスタの栄光」に代表される医療エンタテインメント小説が有名ですが、こちらもその類。代理母出産をモチーフに、現代日本の産婦人科医療の問題を描いた1冊です。生命の誕生に関わる医学的な説明や、医学と医療と政治の話などは、さすが医学博士である著者の書くこと、大変興味深く、読み応えがあります。その側面だけでも、読む価値があると思えるほど。

一方で、主人公である不妊治療専門医の曽根崎理恵という女性の描写については、非常に違和感を感じます。ひとりの女性で、不妊治療専門医で、自身が不妊で、子供が欲しくて、という人物設定は、男性が想像で書くには難しすぎたということでしょうか。代理母出産というテーマ(究極の不妊治療)から想像した、濃密な母性やら、それゆえの葛藤やらの、感情面での描写については、正直期待はずれでした。

なので、「母と子」「母性」がテーマの小説にカウントして良いか迷ったのですが、リアリティさえ求めなければ(←ひどい)小説としてはとても面白かったので、入れちゃいました。

映画化もされたようですが、そっちはどうかな。この物語は、海堂尊のノリノリの文章を味わいながら、頭の中で映像化するのが楽しそうな気がします。観てないからわかりませんけども。

マドンナ・ヴェルデ/海堂 尊

自身も不妊の不妊治療専門医・曽根崎理恵が、実母に代理出産を依頼して…

先に紹介した「ジーン・ワルツ」の裏側を描いた小説です。こちらは、より「母親という生き物の内面」を描いているため感情移入のしどころ満載のハズなのですが、困ったことに、これまたまったくリアリティが感じられない。むしろイライラするくらいです。どうしよう。

それでも、「ママ、私の子どもを産んでくれない――? 」ときたら、やはり興味がわくし、これは海堂マジックと言っていいかと思いますが、読み始めたら途中でやめることはできません。よって、期待に違わぬエンタテインメントを与えてくれていることは、確かです。

結末にどういう感想を抱くかは人それぞれかと思いますが、「代理母出産」というものがもたらす解決すべき課題について、自分なりに考えてみるきっかけとしては、有りな1冊なのではないでしょうか。

今後、少しずつ追加していきます。

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