子供を本好きにするには?の答えを発見!「親」の必読書。『サンタクロースの部屋―子どもと本をめぐって』

子供を本好きにさせたい、と願っている親御さんは多いと思います。

私もそのひとりで、毎日寝る前に読み聞かせをしたり、定期的に図書館に通ったりと、日々いろいろ試行錯誤しています。

その効果なのか、あるいは私がいつも本を傍らに置いて読んでいるのを見て育っているためか、今のところ我が家の5歳長男は、本が好きなほうです。

ただ、気に入って何度も読みたがる本が、まったく母の好みでない(笑)。

私が「良かれ」と思う本を選んで読み聞かせれば、その場は集中して聞くし、「おもしろかった!」と言うのです。でも、いざ自分で選ばせると、まったく違う方向に行ってしまう。具体的に言うと、物語のない絵や擬音ばかりの本や、テレビで知っているキャラクターの本などを好むのです。

それでついヤキモキしてしまって、半ば強引に、読ませたい本を手に取るよう仕向けたりすることもしばしば。

そんなことをしても意味がないどころか、ピュアな感受性に水を差すようで逆に悪影響なんじゃないかとも思うんですが、図書館に行ってまで「はなかっぱ」の絵本を手に取る息子が、どうしても歯がゆく…。(「はなかっぱ」自体は、別にいいと思うんですよ。でも、テレで毎日見てるんだからもういいじゃな〜い、と思っちゃう)

それで、どうしたらもっと「お話」を好きになってくれるんだろう、どうしたら「物語」を楽しめるようになるんだろうと悶々としていたところ……最近になって、とても素敵な本に出会ったんです。

子供に読ませる本ではなく、親の私が読む本。

それがこちら。
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童文学研究者で翻訳家の松岡享子さんが書かれた『サンタクロースの部屋―子どもと本をめぐって』です。

子供に本やお話を好きになってもらうために、大人はいったいどんなアプローチができるか。また、子供に本を読ませたい一心で大人がついやってしまいがちな「NG行動」は何か。などなど、「子供と本」について試行錯誤している親御さん(あるいは教育機関の先生方)にとって、大変参考になることがたくさん書かれています。

以下に、特に私の心に残った箇所を、感想を交えて紹介させていただきますね。

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アメリカの児童文学評論誌の一節を用いた導入部

この本は、全編通して何度でも読み返したいくらい大切なことがたくさん書かれているのですが、なんと言っても、アメリカの児童文学評論誌の一節を用いた導入部に、本当に心を打たれます。本のタイトルにもなっているくらい、核となる部分ですね。

「幼い日に、心からサンタクロースの存在を信じることは、その人の中に、信じるという能力を養う。わたしたちは、サンタクロースその人の重要さのためでなく、サンタクロースが子どもの心に働きかけて作り出すこの能力のゆえに、サンタクロースをもっと大事にしなければいけない」

(評論誌の一節の大要として)

心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中に、サンタクロースを収容する空間をつくりあげている。

この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに代わる新しい住人を、ここに迎え入れることができる。

この空間、この収容能力、つまり目に見えないものを信じるという心の働きが、人間の精神生活のあらゆる面で、どんなに重要かはいうまでもない。

のちに、いちばん崇高なものを宿すかもしれぬ心の場所が、実は幼い日にサンタクロースを住まわせることによってつくられるのだ。

別に、サンタクロースには限らない。魔法使いでも、妖精でも、鬼でも仙人でも(中略)。幼い心に、これらのふしぎの住める空間をたっぷりとってやりたい。

(本文より抜粋)

そういった「ふしぎ」に出会うのに、本やお話はとても優れたツールですよ、ということなんですね。

私は「目に見えないものを信じる力」が持つパワーを、実体験によって理解している者なので、とてもすんなりとこの導入部分を読むことができました。

今までは、読書の習慣があると楽しみも増えるし、視野も広がる。勉強や仕事の面でも助けになることが多いから、という「プラスα」的な位置付けで本好きになると良いと考えていたのですが、この「目に見えないものを信じる力」のような、生きていく上でベースともなり得る能力が、本やお話に触れること、空想物語に思いを馳せることで養われると言うのなら。やはり、我が子には、本を楽しめる子になって欲しいなと、改めて思った母なのであります。

本編の概要と、特に心に留めておきたいと思ったこと

本編は、4つの内容で構成されています。

①図書館〜子どもと本が出会う場所〜
著者である松岡さんがアメリカの児童図書館で働いていた頃のエピソードと、帰国後に大阪の図書館でやはり図書館員として働いていた頃の体験談。

②“たのしみ”こそカギ
子どもを本の世界にさそいこむために、まわりの大人がどんな配慮をすれば良いか。まだ駆け出しだった頃の著者が、一所懸命に訴えた文章。

③考えること、あれこれ
本を選ぶこと、お話を語ること、子どものことばを育てることなどについての考え。

④講演二つ
保育者と保育を学ぶ学生を対象に行った講演「ことばの世界」と、一般向けに行った講演「尾と脚と」(人魚姫の物語を引き合いに出した、「人の生き方」の話です。)の記録。

すべて本当に、目からウロコなことや、再確認(確信)することなど、得るものだらけの内容だったのですが、中でも強く心に残ったことを以下にメモしておきます。

子どもの人格を認めるところから

これが、最も私に刺さった内容でした。まさに日々悩んでいたことがテーマ。

(本を選ぶ場面で)おかあさんが口出しをするとき、いちばんよく出るのは「それ、前にも借りたじゃないの。また借りるの? ほかのにしなさい」というのと、「もう少し字の多い本かりなさい」というのでしょう。

私の場合は、子どもが繰り返し同じ本を読むことは推奨しているため、そういう本は買うことにしています。なので「また借りるの?」は言いませんが、「もう少し字の多い本かりなさい」は、常に思っていることでした。

とはいえ、息子に「指図された」という印象与えないために、口に出して言ったことはありません。それとなく「字の多い本」へと誘導していたのです。でも…

本を読むことは、字を読むこととは違います。ことばで表されたことがらを、心の中で絵に組みたて、それを動かしてひとつの世界をつくりだしてたのしむというのが、本を読むということでしょう。

字の少ない絵本の中にも、たっぷりそうしたたのしみを味あわせてくれるものもありますし、たとえ字が多くても、子どもの読書能力からいって、そうした楽しみを与えてくれない本もあります。

(本文より抜粋)

だそうですよ!

はい! 知ってました(>_<)

なんていうか。これ、本当は知ってるじゃないですか。自分が本を読むタイプの人間の場合は特に、読書における最重要事項が「字を読むこと」ではないって、実感としてわかっているはずなんですよ。

なのに、子どものこととなると、見失ってしまう。

子どもが子どものペースですすんでいけば、親の目にまどろこしく見えようとも、着実に、しかも、本の中にたのしみがあることを疑わずに、成長していくものです。親が、子ども自身のペースより速いペースで子どもをひっぱっていこうとすると、結果的には、本が負担に感じられるようになったり、つまらなくなったりしがちです。読書が子どもの中で、たのしいことの範疇に属しているように、遠くから見守っていてあげてください、とお願いしたいのです。

(本文より抜粋)

これね。大好きな一節です。書かれていることが、私が日々迷い悩んでいたことの答えであるだけでなく、なんとも言えない、優しい文章。慈愛に満ちた表現。こんなふうに、子どもと本との関わりを、見つめていけたら良いなと思いました。

と、こんな感じで、本と子ども(と、親を代表とする周りの大人)の関わり方について気付きとなることが、ぎっしりぎっしり詰め込まれた1冊になっています。ここで抜粋した内容なんて、たった3〜4ページ分くらいのものですよ?

もうね、どこを読んでも心に響くことばかりで、それを余さず紹介しようと思ったら「写経か?」っていうくらいの丸写しになってしまう勢いです。

なので、お子さんに本のたのしみを教えたい!という親御さん(あるいは教育機関にお勤めの方)は、ぜひ手にとってご一読されることを、強く!おすすめします。

ちなみに我が家では、この本で得たことを私が意識するようになってから、息子が明らかに変わりました。もともと本は好きなほうでしたが、それでも「寝る前の習慣」として読むことが多かった息子が、今では「あれ?なんか静かだな」と思ってふと見ると、絵本を読んでいる、ということが増えました。あとは、「これ読んで〜」と言って本を持ってくることも。

どうやら、おうち遊びのひとつに入れてもらえたようです( *´艸`)

こんなふうに、いろいろな遊びのひとつとして、本から楽しみを得ることも大切にしていけるといいな〜。

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